技と技の連続性を中心とした

★マット運動の授業★



男子向き 規定演技構成 (中盤部分)
男子向き 規定演技構成 (中盤部分)

《はじめに》

 

  昭和中期の体育授業では、陸上競技、器械運動、水泳といった種目が軸的にも時間的にも基礎部分

としてあった。その中身も、陸上競技では短距離走、砲丸投げ、走り幅跳び、、ハードル走、長距離

走などに結構な時間をかけたし、器械運動ではマット運動のみならず、鉄棒、跳び箱、平均台を授業

でこなしていた。その後、学習指導要領の改訂が何度か進められる中で、体育授業は生徒が種目を選

択していくような形態となり、バスケット、バレーボール、サッカー、ハンドボールといった種目に、

昔は雨天時に飛び入りで行う種目であった「卓球」「バドミントン」自習時間に行う種目であった

「テニス」「ソフトボール」がその存在価値をアップし、球技種目がカリキュラムの中心となった。

それとともに、陸上競技、器械運動はこの二つからの選択となったり、時間数、中の種目数もかなり

減じられる方向へと動くのは当然である。

 

 器械運動では、回転感覚、バランス感覚、柔軟性などを養う運動としては適しているが、非日常的

な運動でもあり、克服すべき課題が、与えられた時間内になかなか達成できずに、積み残すことも多

く、教師の中にも指導を嫌がる者は多い。

 

 また、選択制の授業の中では、生徒自らが授業を「デザイン」し、創っていく方向の授業が試され

ているが、『ラグビーの授業』等と同じく、器械運動の場合も、明確な技術の系統性、技術のポイン

ト、技の補助法などを理解させていかないと、惨めな結果に終わってしまうため、安易に、生徒に計

画を任せてやらせる授業には賛成できない。

 

 今回ここで示した「マット運動の授業」は、いわゆる旧い型の授業に入るかもしれない。20世紀の

残骸といわれるかもしれないが、書かないことには屍としても残らぬと思い、あえて表出する。

 

 今回ここでは、例えば前転や,後転倒立や------といった技の習得のためのポイントを解説・列挙す

ることは控え、体操競技の床運動にみる運動の連続性を習得するためのファクターの学習と、競技会

の緊張感やムード作りを味わうことを目的とした学習指導案を構成した。男女によっては、細かい点

で指導していくポイントが違ってくるとは思うが、参考にしていただければ幸いです。                         

                                        (なかおか)