文部科学省学習指導要領では、平成6年より、「格技」が「武道」という名称に改められた。武道が必
修選択授業として取り入れられた。さらに平成10年からの指導要領改定により中学校では武道が必修とな
り、その道の専門家のいない学校では、私のような専門的にはやってきていない教師が武道の授業を担当
していくケースが、頻度を増してくるのではないかと思う。
「剣道」については、高校、大学の授業でしか勉強したことはなかったが、たまたま赴任した学校で、部
活動顧問として剣道部を任され、さらに授業についても、剣道の授業を常時任される状況となった。
体育の授業で武道を受け持つとき、たとえばバレーボールやサッカーなどの種目を持つときと比べ、私は、一種 特別の緊張感というか、気持ちの変化がある。
剣道部の日常の練習の中で、また練習試合や公式戦に引率していく中で、多くの他校の専門家の先生方
にご指導、ご助言頂いたことを参考にしながら、それを授業にも生かそうとするのだが、実際にその競技
を長く経験されてきた人達の、技術のコツといったもの、タイミングの取り方、指導系統にみられる細か
い配慮といったものは、なかなか汲み取れない部分がある。さらに専門の指導書、技術書を開いてみても、
割合に簡単な文章表記の解説しかなされていない部分と、反対に大変記述の難しい部分があり、連続写真
をみても、そのスピード感・タイミングというものは実際にやってみないとわからない部分が多い。また
剣道の技術系統を少々理解したとしても、50分の授業の中では、部活動のような練習体系は合わないし、
授業としてはどの程度までをよしとして、次の段階へどう発展させるのか、難しい部分もある。
この授業ノートは、剣道の授業における一体育教師の試行錯誤を指導案的に『初級剣道として「応じ技
を使った自由稽古(地稽古)ができるまで」』として約20時間分をまとめたものです。専門家の先生方か
らはおおいなるご批判があろうとは思いますが、ご指導のほど宜しくおねがいいたします。
中岡 鉄史
神戸市 北区